介護食と聞くとなんとなくやわらかい食事かな、と想像できると思いますが、実は4つに区分されてます。
区分によって食事のやわらかさの度合いが違い、その中の噛まなくてよい食事はその名の通り、噛む必要がなく食べられます。
噛まなくてよい食事はペースト状になっていることが多く、見た目があまり良くないデメリットがあります。
生きていく上で大事な食事ですから、噛まなくて良い食事だとしても少しでも見た目良く美味しく食べたいですよね。
今回は介護食の噛まなくてよい食事はどんな人に最適か、また、用意する際のポイントを紹介します。
目次
介護食の噛まなくてよい食事に合う条件の人は?
噛まなくてよい食事というのは、噛む必要がないほどやわらかいということです。
ですので、食事を噛めない人が噛まなくてよい食事の条件に合います。
では、「食事を噛めない」というのは一体どのような状態なのでしょうか。
介護食は食品を噛む力(咀しゃく)や飲み込む力(嚥下)の機能の状態により、4つに区分されています。
この区分は日本介護食品協議会の自主規格「ユニバーサルデザインフード」で定めており、介護食を選ぶ基準になっています。
引用:日本介護食品協議会
この4つの区分の中で「かまなくてよい」の区分に当てはまる咀しゃく力と嚥下力の状態を見てみましょう。
- 咀しゃく力:固形物は小さくても食べづらい
- 嚥下力:水やお茶が飲み込みづらい
「かまなくてよい」の区分に該当するのは、咀しゃく力と嚥下力がかなり低下している人となります。
ですので、そのような人でも食事ができるようになっている介護食が噛まなくて良い食事になります。
介護食で噛まなくてよい食事にはどんな種類がある?
噛まなくてよい介護食は、咀しゃくを必要としないやわらかさでできた食事を用意する必要があります。
- ミキサー食、ペースト食、ピューレ食
- ムース食、ゼリー食
このように、食事の種類は色々とありますが、噛まなくてよいならどの種類の食事を選んでも良いわけではありません。
この中でさらに嚥下力によって向いている食事が変わってきます。
嚥下力 | 向いている食事の種類 | 食事の例 |
---|---|---|
粒があっても飲み込める | ミキサー食、ペースト食、ピューレ食 | 粒のあるミキサーかゆ、粒のある魚のペースト、かき玉スープなど |
粒がないと飲み込める | ミキサー食、ペースト食、ピューレ食 | 粒のないペーストおかゆ、ポタージュペースト、果物のピューレなど |
粒がなく、離水の少ないゼリー状なら飲み込める | ムース食、ゼリー食 | おもゆゼリー、豚肉のムース、野菜ゼリーなど |
食べる人の嚥下力によって、どのような種類の食事にするか決めたり、やわらかさやとろみを調整するとよいでしょう。
噛まなくてよい食事を用意する際のポイント
噛まなくてよい食事には、「ミキサー食、ペースト食、ピューレ食」と「ムース食、ゼリー食」の大きく2種類があります。
これらの食事を美味しく、安全に食べられるように押さえるポイントもありますよ。
用意する食事によって押さえるポイントが変わるので、1つ1つ見ていきましょう。
ミキサー食、ペースト食、ピューレ食
作るときの基本は、調理した食材に水分を加えた後に、ミキサーにかけてとろとろの状態にすることです。
その他、美味しく食べられるように以下に気を付けましょう。
- 食材は複数を一緒にではなく、1種類ずつミキサーにかける
- ご飯などのでんぷん質が多いものはミキサーにかける前に水分を十分に吸わせる
- 生野菜ではなく温野菜でミキサーにかける
嚥下が難しい場合は、以下も取り入れると良いですよ。
色の見た目を良くしたり、味を良くするポイントを押さえて、ミキサー食でも美味しく食べられるようになると良いですね。
ムース食、ゼリー食
作るときの基本は、食材をしっかりとつぶし、ゲル化剤やゼラチンで固めます。
ムース食は一度すりつぶした食材を固め直すため、見た目も美味しそうに仕上げやすくなるのが特徴です。
ただし、ミキサー食などよりも嚥下が困難な人向けの食事なので、以下に気を付けましょう。
- 食材は粒が残らないようにしっかりとすりつぶす
- 食べる人の嚥下力を見て食材を適度な固さに固める
- 繊維の多い食材は場合によっては使用しない
固めるという手間が追加されてしまいますが、見た目で食欲アップを図れるので安全に食べられるようにしたいですね。
介護食で噛まなくてよい食事はどう用意する?
噛まなくてよい介護食を用意する方法は以下があります。
介護する側の人の状態もとても重要なので、状況に応じて用意の仕方の選択肢を増やしたり、組み合わせると良いでしょう。
- 自宅で作って用意する
- レトルトの食事を用意する
- 宅配サービスを利用する
それぞれメリット・デメリットに何があるのか、順番に見ていきましょう。
自宅で作って用意する
食事に必要な食材を用意し、自宅で作って用意する方法です。
1番の魅力はやはり、食事の量や味を自分で調整できる点でしょう。
他にもどんなメリットがあるのかも含めて見てみましょう。
逆に自宅で用意するデメリットには以下があります。
介護食を用意する上での手間は、下手をすれば命にかかわってくる部分なので手を抜けるところではないので大変です。
大量に作って残りは冷凍保存をする、などと毎食作らなくても良いような工夫で切り抜けましょう。
レトルトの食事を用意する
レトルトの食事を購入して用意する方法です。
レトルトの1番の魅力は、食事を1から全て作らなくて良い点ですよね。
上記のメリットも含めどんなものがあるのか見てみましょう。
逆にレトルトで用意するデメリットには以下があります。
自宅で作るよりもお金がかかってしまいますが、ストックしておくと急に食事が作れなくなったときでも安心です。
ラインナップも豊富なので、自宅では普段作れないようなものを買って食事を用意する手もありますね。
宅配サービスを利用する
介護食の宅配サービスを利用する方法です。
宅配の1番の魅力は、できあがった食事を自宅に届けてくれる点です。
上記のメリットも含めどんなものがあるのか見てみましょう。
逆に宅配サービスで用意するデメリットには以下があります。
ストックできる点は魅力ではありますが、容器とワンセットになっている分、レトルトよりもストック場所をとりますよね。
ですが、手間もなく品数多く食事を取れるという魅力はそれを払拭するほどですので、利用するのはおすすめです。
介護食の宅配サービスを利用するならどこを選ぶ?
毎日の介護食を自宅で用意するには手間もかかり、本当に大変ですよね。
そんなとき、レトルトや宅配サービスをうまく活用しながら用意するのは、作る側の労力を減らせるのでとても重要です。
しかし、宅配サービスはさまざまなところがサービスを行っており、中々選ぶのにもひと苦労ではないでしょうか。
そこで今回は家庭向け冷凍弁当【健康うちごはん】を紹介します。
医療・介護食の専門メーカーであるメディカルフードサービスが提供しており、栄養面も配慮されているので安心して食べられます。
管理栄養士による電話相談や、「お試しセット」でメニューが試せるので検討中の人も安心です。
【健康うちごはん】の「やわらか食」は咀しゃくと嚥下が困難な人向けで、噛まなくてよい食事を探している方におすすめです。
メディカルフードサービスについての解説記事もあるので、公式サイト以外の情報を知りたいと思ったらこちらも見てください。
メディカルフードサービスはただのやわらか食ではなく、美味しさや見た目を追求して作っています。
実際に注文して食べた感想が載っている記事もあるので、良かったら見てください。
【メディカルフードサービスやわらか食】実際に食べた正直な僕の声!
こちらの記事ではランキングを作っているので、他の宅配介護食とも比較したいときに参考にしてください。
噛まなくてもよい食事で見た目を元のものに近づけるには、やはりとても手間がかかってしまいます。
冷凍宅配で美味しいのを食べられるのであれば利用するのも1つの手ですので検討してみてくださいね。
日々の介護食の用意で大事なのは、ほどよく手を抜きながら続けること。
介護をする側が倒れてしまわないためにも、楽をするのは決して悪くないので、根を詰めず適度に楽をしていきましょう。
まとめ
- 噛まなくてよい介護食は咀しゃくと嚥下が困難な人向けの食事である
- 噛まなくてよい介護食は噛む必要がないやわらかさでできている
- 噛まなくてよい介護食には主に「ミキサー食」や「ムース食」がある
- 嚥下力の状態によってとろみを追加したミキサー食や、ムース食に変更するなど調整をかけるのが良い
- 自分たちで作るだけでなく、レトルトや介護食宅配サービスも活用するのが良い
- メディカルフードサービスは咀しゃくや嚥下が困難な人向けの「やわらか食」も用意しており、お試しもできる
噛まなくてよい介護食に向いている人やどんな食事かが分かりましたね。
飲み込めるようにサポートする食事作りを毎日続けるのは本当に大変ですよね。
レトルトや介護食宅配サービスを活用してうまく手を抜きながら、介護食を無理なく続けていきましょう。
介護食には噛まなくてよい食事があるみたいなんだけど実際どういうものかしら?