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介護食と献立の基本!【美味しくて簡単】を諦めない工夫とポイント

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食事は身体と心の栄養。誰だって、おじいちゃんおばあちゃんになっても美味しいご飯が楽しく食べたいものです。

もちろん介護食も、せっかくなら美味しいほうが食べる方も嬉しいし、喜んで残さず食べてくれたら作る方もやってよかったって思いますよね!

ですが、家族の面倒を見るほとんどの人が、介護に関して右も左も分からない初心者のはず
そしてあなた自身も、仕事や生活に追われて忙しいのではないでしょうか?

今回は、家で介護を頑張るあなたに、介護食と献立の基本をお伝えします
また、「美味しい&簡単」を両立しながら栄養を取るコツやポイントも合わせてご紹介します!

この記事で分かること
  • 介護食 献立の作り方の基本
  • 介護食作りのポイント
  • 介護食で家族を笑顔にするための工夫

これを知れば、大切な人の心と身体を健康に、そしてあなたを大変な介護生活から解放してくれるはずです!

介護食ってなに?

介護食とは、高齢者や障害者の方でも栄養を摂りやすいように工夫された食事のことです。

加齢に伴って、飲み込んだり噛んだりする力や消化する機能は弱くなっていきます。

ご飯が食べれないと、心も体もやせ細っていってしまいます。そして最悪の場合、命を落とす危険性も。

そんな人でもしっかりごはんが食べられるように、柔らかく調理したり飲み込みやすく工夫したものが介護食なのです。

介護食 基本の献立の立て方

いざ介護食を作ろうとしても、何から始めたらいいのか分からない人はたくさんいるはず。

介護食ってどんなの?どの栄養がどのくらい必要なの?

介護初心者だと、何をどうしたら良いのか全くわかりませんよね。
なので、まずは介護食を作るときの基本や、献立を考えるための基準お伝えします!

目安の必要摂取カロリーを知ろう!

1つ目は、1日でどれくらいのカロリーが必要かを知ること

介護を必要とする高齢の方の1日の必要カロリーは、一番少なくても女性で1400kcal、男性で1800kcalです。

さらに、体型や活動量によってはもっとカロリーを摂らなればいけない場合もあります。

下の表を基準にして、どれくらいのカロリーを1日で摂りたいのか把握しておきましょう!
闇雲に毎食作っていると、カロリー不足や過剰になってしまうことも…!

  男性 
活動レベル低いふつう高い
65〜74歳2050kcal2400kcal2750kcal
75歳以上1800kcal2100kcal
  女性 
活動レベル低いふつう高い
65〜74歳1550kcal1850kcal2100kcal
75歳以上1400kcal1650kcal

引用元:日本人の食事摂取基準(2020年版)

運動レベルは、次のように分けられます。

  • 低い
    ほとんど座って生活している人。
  • ふつう
    座っていることが多いが、家事や軽い運動はする人。
  • 高い
    立っていることが多かったり、スポーツをしている人。

ただ座っているだけでも、身体を維持するには意外とエネルギーがいるんですね。

3食で1400kcal摂るには、一回の食事で450kcal位食べなきゃいけません。
おにぎり1つで約180kcalですから、朝ご飯をおにぎり1個にするだけでも相当足りなくなりそう。

でも、健康体の僕たちでも、朝を抜いちゃうことってありませんか?僕の友人でも、「朝はコーヒーだけ」って人結構います。

そう、ちゃんと毎食食べるって意外と大変なんです。しかも、栄養のバランスも考えなくちゃいけない。

カロリーや栄養を摂りすぎるのも摂らなさ過ぎるのも、身体にはよくありません。
それは高齢者でも、まだ若くて健康体の僕たちでも同じなんですね。

ピッタリの種類の介護食を知ろう!

2つ目にチェックしておきたいことは「この人にはどんな食事・介護食があっているのかな?」ということ。

介護食といってもいろいろな種類があります。大きく分けると5つ。
軟菜食・きざみ食・ソフト食・ゼリー食・ミキサー食です。

 特徴メリット・デメリット
軟菜食

ふつうの食材を、舌や歯茎でも潰せるくらいまで柔らかく調理したもの。

見た目は普通の食事とあまり変わらない。

・歯が弱かったり抜けてしまっている人、噛む力の弱い人でも食べられる。

・見た目も美味しそう。

・下ごしらえや調理に手間と時間がかかる。

刻み食

小さく刻ざむことで食べやすくし、噛む手間を減らしたもの。

刻んだ食材の大きさは、0.5cm〜1cm。噛む力がある程度残っている場合は、もう少し大きく刻むことも。

・噛む力が弱い人向け。

・普通の食事を細かく刻むので、味や色はそのまま。

・食べ物がポロポロしてしまい、飲み込む力が弱かったり唾液が少ない人は誤嚥(ごえん)しやすいのでNG。

ソフト食

ペースト状にした食べ物を、もう一度成形したもの。
ムース食ともいう。

噛まないで潰せる柔らかさだが、元の料理に似せて型取っているので見た目もきれい。

・味や香りが普通のご飯に近い。

・ポロポロしないので、誤嚥しにくくなる。

・調理に手間と時間がかかる。
家で作るのは大変。

ゼリー食

ペースト状にした食べ物をゼリー状に固めたもの。

寒天やゼラチンを使っているので、プルプルとして飲み込みやすい。歯で潰さず食べられる。

・つるつる滑りやすいので、飲み込みやすく詰まりにくい。

・食べ物をペーストにする、ゼラチンで固めるなどの手間がかかる。

ミキサー食

食べ物をミキサーでどろどろの状態にしたもの。
とろみを付ける場合も。

噛む必要がないので、歯や飲み込む力がない人でも食べられる。

液体状なので、食べ物の原型はない。

・噛む必要がない。飲み込む力が弱くても食べられる。

・見た目があまり美味しそうではない。

・サラサラ過ぎると、むせたり誤嚥してしまう。

介護食はとにかく美味しくなさそうってイメージがありましたが、美味しく食べるための工夫がたくさんあるんですね。

噛んだり飲み込んだりするのが難しくなっても、大切な人から食事という楽しみを奪わないであげられるのは、介護する側からしても嬉しいです。

でも、食べる力が衰えてきたからといってすぐに噛まない食事にするのは逆効果!
噛めるうちは、トレーニングも兼ねて無理のない範囲で食感のあるものを食べることも大事になってきます。

食べている様子を見ながら段階的に変えていくのが理想的です。

しかし、食べやすさや見た目に配慮するほど、介護する側の手間や負担が増えてしまうのも事実。

介護する側もしてもらう側も納得できるいいバランスを探していくのが重要ですね

栄養バランスを考えよう!

そして、栄養バランスにも配慮が必要。

うちの親は、甘いお菓子が好きだからそればっかり。食べないよりは良いでしょ?

1日に必要なエネルギーは摂らなきゃいけないし、もう年で食べる量も少ないから、とりあえず高カロリーにすれば良いよね

食べられるもの、好きなものを食べて食事を楽しむのは大切です。でも、ただカロリーを摂れば良いわけではありません!

栄養バランスを意識して献立を考えなければいけないのは、歳を重ねても介護食になっても変わらないんです。

理想的な栄養バランスは私達と同じです。

総摂取カロリーのうち、炭水化物が60%前後、タンパク質が15%前後、脂質が25%前後というのが良いバランスとされています。

引用元:オレンジページnet

とはいえ、「炭水化物を○g摂らなきゃだから、この食材は△gで…」と毎食やっていたら、日が暮れてしまいます。

ご安心ください!そんな厳密ではなくても大丈夫。
できるだけPFCバランスを整えて、栄養が過度に偏らないようにしてあげればOKです!

引用元:健康長寿ネット公式HP

この表のように、「ごはんが足りないから少し増やそう」「乳製品を摂ってないからチーズをプラスしよう」みたいに組み合わせていくのがおすすめ。

何より大事なのは、続けることと食事を楽しむことです。

いろんな調理法や食材を取り入れよう!

4つ目に抑えておきたいのは、いろいろな調理の仕方や食材を使うことで、硬さや味を調節して飽きないようにしたり食べやすくしてあげることです。

同じ食材でも煮る・焼く・茹でるなどいろんなやり方がありますし、それによって栄養の吸収や食材の柔らかさも様々。

ヘルシーにしたい時は茹でる、柔らかくしたほうが良いときは煮る、カロリーが足りない日は揚げてみる…そうすることで自然と料理のレパートリーも増えます!

そして、色んな食材を使ってみることも大事。
同じものばかり食べていては必要な栄養素が摂れないです。お野菜もお肉も、いつも決まったものばかりになりがちではないですか?

毎日豚肉では栄養も偏ってしまいます。「お昼はお肉だから夜はお魚にしようかな」くらいのゆるい感じで良いですから、色んな食材を使って献立を立ててみましょう!

介護食で不足しがちな栄養素4選

高齢の方の食事は、食べやすいうどんなどの麺類や手軽な1品料理になりがち。
そういった食事で不足しやすい栄養がいくつかあります。

栄養の偏りは身体の不調を招き、もっと食べれなくなって身体が弱っていってしまう…という悪循環に繋がります。

そんな不足しやすい栄養4選と、それを補うおすすめ食材をご紹介します!

タンパク質

1つ目は、タンパク質1日の摂取目安は60gです。

麺や丼もので簡単に食事を済ませてしまう事が多いと、どうしても炭水化物ばかりでお肉やお魚が摂れないです。また、肉類はかみごたえがあって、歯や顎が弱ると避けがちに。

タンパク質が不足すると筋肉が減って体力が落ち、さらに食べることができなくなっていきます。

【タンパク質を補うおすすめ食材】

  • 魚の缶詰
  • チーズ
  • 牛乳
  • 豆腐
  • ヨーグルト
  • きなこ

タンパク質が足りないな…というときは、デザートにきな粉ヨーグルトを付けてみたり、メインにチーズをトッピング、おかゆを卵でとじるといった工夫をしてみましょう。

いつもの献立にちょい足しアレンジで、味変も楽しめますよ。

カルシウム

カルシウムも積極的に摂りたい栄養素の一つ。ミネラル類は体の働きを円滑にする重要な栄養素です。

特にカルシウムは、高齢になるにつれて弱くなっていく骨を作る大切な成分。不足すると骨粗鬆症の原因になるのはもちろん、イライラしたり疲れやすくなります。

心と体の健康に大きく関わるので、意識して取り入れたいですね。

【カルシウムを補うおすすめ食材】

  • ごま
  • ひじき
  • 干しエビ
  • 魚の缶詰
  • しらす
  • 牛乳
  • チーズ
  • ヨーグルト
  • 豆腐

和え物にしらすやごまを入れてみたり、魚の骨まで食べられる缶詰を活用してみるのもいいですね。

ビタミンD

続いては、ビタミンDです。
食べる量が少ない分、野菜や海藻を食べなくなり、ビタミン類の不足に繋がります。

その中でもビタミンDは、先程ご紹介したカルシウムの吸収を助けます。
さらに、免疫力を高めて風邪や生活習慣病の予防にも役立つ栄養素なんです!

【ビタミンDを補うおすすめ食材】

  • イワシ
  • マグロ
  • 魚の缶詰
  • しらす
  • きのこ

魚類はカルシウムも一緒に摂れるので特におすすめ!
脂溶性ビタミンなので、脂質と一緒に取ると吸収率も上がります。

食物繊維

そして、食物繊維も不足しやすい成分の一つです。
歳を重ねるにつれて、野菜や繊維質なものは固くて噛み切れなくなります。

不足すると、便秘でお腹が張って食欲が湧かなかったり、腸内環境が悪くなって精神的な面にも悪影響を及ぼします。

【食物繊維を補うおすすめ食材】

  • ブロッコリー
  • モロヘイヤ
  • きのこ
  • 海藻類
  • アボカド
  • きなこ
  • ごま

食物繊維が豊富な食材は、筋が硬かったり食べるのが大変なことが多いです。
そのなかでも、比較的柔らかかったり介護食にちょい足ししやすいものをご紹介しました。

普段遣い出来そうで経済的な食材たちなので、毎日の献立で1食1つずつプラスするだけなら明日から出来そうですね!

食べにくいもの・食べやすいものは?

食べる力が衰えたり、歯が少なくなっていくにつれて、食べにくいものもだんだんと増えていきます。

介護食の知識がないままで噛んだり飲み込んだりしづらいものを食べさせていると、誤嚥してしまったり、最悪の場合死に至る危険もあるんです。

介護食を作るときに取り入れるべき食べやすいものの特徴と、食べにくいものの特徴をそれぞれご紹介します。

食べやすい食べにくい
特徴・トロトロしたもの
・ゼリーやプリン状のもの
・柔らかいもの
・筋のあるもの
・薄いもの
・ポロポロしたもの
・パサパサしたもの
・硬いもの
食べ物・煮込み料理
・あんかけ
・柔らかい肉
・骨がない、骨まで食べられる魚
・プリンやゼリー
・うどんやそば
・おかゆ
・薄切りの肉や筋の多い肉
・小骨が多い魚
・ごぼうやれんこん
・タコやイカ
・せんべいやスポンジケーキ
・パン
・餅

薄いお肉もNGなのは驚き!
たちにとっての食べやすさとはまた違った視点で考える必要がありそうです…。

介護食でも美味しく栄養を摂れる!献立の工夫

ここまでで、介護食の献立をどうやって立てたら良いかなんとなく分かってきたと思います。

とろみがあって柔らかい方が良いとか、ポロポロしたのはダメとか…。
マンネリ化して同じメニューばっかりになっちゃうよ!

毎日毎日考えていたら、頭がパンクしてしまいますよね。


こんなふうに、食べてくれないこともありますよね。
頑張って作ったご飯が食べてもらえないのはすごく悲しいですし、栄養が取れないのは心配。

そこで、毎日の介護食がマンネリ化しない、美味しいと食べてもらうための献立の工夫を伝授します!しかも簡単で、今日から使えちゃう方法も!これは必見です。

イベントや季節に合わせたメニュー

お正月はおせちや七草粥、ひな祭りはちらし寿司など、節目やイベントに合わせたメニューは見た目も楽しいですしコミュニケーションにも繋がります。

知人の介護士の人も、施設ではそういった行事食をよく取り入れているんだそう。
利用者の方の反応も良いですし、献立を何にしようか困ったときに助かるそうです。

喜んでくれると作りがいがありますよね。たまには少し豪盛な献立もあり!

旬の食材を使う

旬の野菜は柔らかくて食べやすく、栄養価も高いです。

同じ味付けでも、旬の食材を使えば安くて美味しいですし、その食材を使った料理を考えると献立も立てやすくなってきます。

スパイスや調味料をちょい足し

味つけがマンネリ化したときにおすすめなのが、スパイスを足したり調味料を少し変えてあげること。

昨日のおかゆにミルクとカレー粉を足してカレーミルクリゾットにしたり、焼き魚にレモンを絞ってあげるだけでもアレンジできます。

また、酢の物のお酢をりんご酢や黒酢にするなど、調味料を少し変えるのもおすすめ。
作り方や手間は変わらないまま違ったテイストにできるので飽きないんです!

宅配に頼る

毎日献立を立てて、バランスも考えて、3食作るのは本当に大変。
そんなときは、介護食の宅配サービスに頼るのもおすすめ。

宅配に頼ったって良いんです。むしろ頼りましょう。
家族の人生や介護も大切ですが、それ以前にあなたの人生や時間を守るのが一番。逃げではありません。

でも、宅配に頼るのに抵抗がある方も多いはず。
味や見た目はもちろん、値段や定期購入はハードルが高いですよね。

実は、最近では美味しくて見た目も良い宅配サービスもあるみたいなんです。

特に、医療職や介護食を専門に扱うメーカーの介護食・メディカルフードは、介護食に特化しているから品質も安心。柔らかいのはもちろん、減塩や低カロリーのものまで多種多様です。

メディカルフードサービスのやわらか食を実際に使った方の感想が気になる方はこちら

お値段や品質がわからないまま定期購入するのは不安ですよね。本当に食べてくれるか実際に確かめてからにしたいです。そんな方でも、お試しセットがあるので安心。
詳しくはこちら

プロの介護食だと食べてくれる人も結構いるみたい。
試す価値大アリです!

他にも、介護食の宅配サービスはいろいろあります。あなたに合ったものを探してみましょう!
介護のプロが厳選した宅配サービスランキングを参考にしてみても良いかも。

介護は全部自分で背負おうとしなくて良いんです。
介護食の宅配だけでなく、レトルトの介護食や民間の福祉サービスに頼るのは賢いワザ。
自分にピッタリの選択肢が必ずあるはずです!

まとめ

今回は、介護食の献立の基本とポイントをお伝えしました。

記事のまとめ

1.介護食とは、食べる力が衰えた高齢者向けに作られた食事。

2.献立を立てるときの基本は4つ。
①必要な摂取カロリーを知る
②適した介護食を知る
③栄養バランスを意識する
④いろんな調理法や食材を使う

3.不足しがちな、タンパク質・カルシウム・ビタミンD・食物繊維を献立に取り入れる。

4.介護食には、柔らかくてトロトロしたものやムース状のものが適している。
逆に、硬くて筋張ったものやパサパサしたものはダメ。

5.介護食作りを楽にし、美味しく栄養を摂るコツは、
①行事食を取り入れる
②旬の食材を使う
③スパイスや調味料を足したり変えたりする
④介護食の宅配やレトルトを活用する

食事は何歳になっても生きていくうえで最大の楽しみと言っても過言ではありません。
歳を重ねても、歯がなくなっても、美味しいご飯が食べられることは本当に幸せなことです。

しかし、毎日献立を考えるのはとっても大変です。
自分の仕事ややりたいことがある中で、大切な家族を自宅で看るのはなかなか難しいですよね。そんなときはいろんな人やサービスに頼ることも一つの手。

大切な人との食事を楽しむためにも、正しい知識を身に付けて介護食と付き合っていきましょう。

この記事が、あなたと大切な人の食事を少しでも豊かにするきっかけになれば嬉しいです。