なぜ京都のお惣菜を「おばんざい」と言うの？その理由と特徴を紹介！

和食はヘルシーな料理が多く海外でも和食ブームが広がっています。2013年にはユネスコ無形文化財に登録され、より注目が高まっています。

その中でも京都の料理は旬の野菜をたくさん使い出汁と食材の旨味を活かした料理が多く、見た目も美しいことから特に人気です。「おばんざい」という言葉もよく耳にするようになりました。

「おばんざい」とは京都の一般家庭で作られているお惣菜のことで、身近な野菜を使って余すことなく使い切るよう考えられた食文化です。

この記事では、京都のお惣菜をおばんざいと言う理由と特徴、おすすめのお惣菜を紹介します。

なぜ京都のお惣菜を「おばんざい」と言うの？

「おばんざい」とは、一般家庭で作られる日常的なお惣菜のことです。

漢字では「お番菜」と書きます。「番」は日常的なという意味があり、「番菜」は日常的なお惣菜という意味になります。

しかし、京都の人達はお惣菜のことを「おばんざい」という言い方はせず、普通におかずやお惣菜と言うようです。

京都で生まれ育った店主の梶原寿夫さん（60）は「日常生活で言ったことはない。『今晩のおかずは？』というのが普通だ」と迷わず話した。親や友人が使うのも聞いたことがなく「テレビなどでいつの間にかよく聞くようになった」と語る。
引用：2017年5月27付　日本経済新聞朝刊

昔は「おかず」は贅沢な食事のことを指し、一般庶民が身近な食材で作る惣菜を「番菜」と言い京都の料理に限らず使われていました。

しかし、時代の変化と食の多様化から贅沢な食事とされていた「おかず」を一般の人達も食べられるようになり、「番菜」という言葉は消え「おかず」という言葉が残りました。

再び全国的に言葉が広がったのは、昭和39年に朝日新聞京都支局が『おばんざい』というタイトルの京都の家庭料理を紹介するコラムを連載したことからだと言われています。

その後テレビや雑誌などで紹介され、おばんざい＝京都のお惣菜として広がっていきました。

京都のお惣菜は身近な食材を使って味付けもシンプル。京都で摂れた野菜（京野菜）や旬のものをふんだんに使うのが特徴です。

素材本来の味や昆布やカツオの出汁を活かした味付けで、余計な調味料は一切使われません。

食材を無駄にしないよう野菜の葉っぱや皮、出汁をとった鰹節などを使い切るように考えられた料理もあります。

野菜もたっぷり食べられて薄味で、煮る・蒸す・和えるが主な調理方法なのでとってもヘルシー。ダイエットや健康が気になる方にもピッタリです。

	京都のお惣菜に使われる主な食材
京野菜	壬生菜、水菜、九条ネギ、ナス、かぼちゃ、大根、カブ、ゴボウ、筍　など
豆類、海藻、加工品	大豆、ソラマメ、小豆、ゴマ、昆布、ワカメ、がんもどき、おから、油揚げ　など
魚介類	サバ、鮭、カツオ、ハモ、シジミ、煮干し、ちりめんじゃこ　など