肉や魚、日用品はまとめ買いしやすいですが、なかなか野菜のまとめ買いってしにくいですよね。日持ちしない野菜も多いし、朝ごはんに食べるサラダに入れる野菜なんて生野菜主体だから買いだめしておくと変色してしまうし。
だけど、うまく保存できたらどうでしょうか。買い物に行く回数がぐっと減り、まとめ買いできるようになるのでお金も時間も節約できます。今回は管理栄養士の資格を持っている僕が野菜の保存方法をご紹介します。
目次
野菜を保存しても栄養価はなくならない?
常温保存できれば、栄養の心配はなさそうですよね。だた、腐りやすい野菜は常温保存できません。そんな時、向き不向きはありますが、ほとんどの野菜は冷凍保存できるんです!
だけど、冷凍保存したら、栄養価が低くなるんじゃないの?
確かに、栄養価は気になります。せっかく野菜をたくさん食べても、肝心の栄養価が下がっていたら意味ないですから。けれども、ビタミンA/D/E/Kなどの脂溶性ビタミンは水に溶け出さず熱にも強いので栄養素の損失は少ないです。
さらに、食物繊維やカリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルは冷凍による影響を受けないので、ほとんど栄養価は変わりません。
ただ、水溶性ビタミンと呼ばれるビタミンB群、C、葉酸は水に溶けやすいので、残念ながら栄養価は下がってしまいます。
ということは、やっぱりほうれん草や小松菜みたいな葉っぱものは冷凍したら栄養価が低くなって食べる意味がなくなりそう。
いや、ちょっと待って下さい。よく考えてみると、生野菜で食べるにしても、冷凍せずに火をとおして食べるにしても水洗いしたりしますよね?ということは、どちらにしてもその時点で水溶性ビタミンは流れていってしまっているのです。
ならば、冷凍保存しても一緒ですね。
野菜の保存方法は?
実際のところ、野菜はどうやって保存すればベストなんでしょうか。常温保存できる野菜と冷凍保存した方がよい野菜とその方法をご紹介します。
常温保存できる野菜
基本的に、根菜類ーじゃがいも・玉ねぎ・人参・さつまいもなどは、常温保存できます。
常温ってことは、どこに置いてもいいの?
数日で使い切るならどこに保存しておいてもいいですが、まとめ買いして多めに買っているのならば、しっかり保存しましょう。新聞紙に包んで、風通しのよい冷暗所で保存します。じゃがいもは日光が当たると緑色に変色してよくないので、気をつけてくださいね。
じゃあ、やっぱり冷蔵庫の野菜室に入れるってこと?
暑い時には野菜室での保存をおすすめします。けれどもそのまま保存するとしわしわになるので、やはり新聞紙にくるんで、密閉容器にいれると適度に湿度が保たれてうまく保存できます。できれば人参や大根は畑に植えられていたように、縦に保存できると長持ちしますよ。
何でも冷凍保存できるの?葉物まで?
もちろんできますよ。葉っぱものも含めてご説明します。
野菜の冷凍保存方法
まず、冷凍保存する時に注意することが4点あります。
- 食べやすい大きさにカットしたり葉物は茹でたり下処理をする
- 水気をよく切るー凍った時に霜がつくため
- 小分けにして保存するーくっつくと使う量だけ出せない
- 包装方法を使い分けるーラップで巻く・ジッパー付きのポリ袋
野菜をまるごと冷凍してしまうと、いざ使おうと思っても使う分だけ切れないし、全部解凍してしまうと残りをまた再冷凍することはできません。葉物も解凍したらすぐに使えるように下茹でしておくと使いやすいです。
レタスやきゅうりのように水分や食物繊維が多い野菜は、冷凍保存にはあまり適さないので生食をおすすめします。
冷凍保存した野菜は解凍させてから料理した方がいいの?
冷凍保存した野菜は、解凍せずにそのまま使ったほうがいいですよ。解凍するとすればゆっくり自然解凍ですが、生野菜のようにはならないので注意してください。
1 人参の冷凍方法
使う大きさにカットして冷凍します。皮の下に栄養があるからと生のときは皮をむかずに使っている人には気になることが。人参は冷凍すると皮が黒くなるので、見た目が気になるのならば冷凍保存するときだけは、むいた方がよさそうです。
2 大根の冷凍方法
生の時なら茹でてから炊いた方が味がよくしみますが、冷凍するときは茹でなくても大丈夫です。いちょう切りや半月切りなど、使い勝手のよい大きさに切って冷凍保存しましょう。ただ、筋が残ったような食感になることもあるので、気になる方は野菜室保存でたべてしまいましょう。
3 じゃがいもの冷凍方法
じゃがいもはそのまま冷凍すると中がすかすかになって、食感が非常に悪くなります。なので、角切りやマッシュにして冷凍すると食べやすいです。マッシュにしておくと、自然解凍すればポテトサラダにもなり、便利ですよね。
角切りのじゃがいもを冷凍すると、解凍した時に端々がピンク色に変色します。冷凍する前に軽く茹でると変色しにくくなるので、気になる方は先に茹でておきましょう。
4 さつまいもの冷凍方法
食べる大きさに切ってから冷凍保存しましょう。ホクホク感は変わらないので、食べるサイズにカットして冷凍します。解凍するとスジが黒っぽくなってくるので、できるだけ冷凍したままで調理します。
5 れんこんの冷凍方法
縦半分に切って、酢水にさらして水気を切って冷凍します。食べやすい大きさに切って冷凍しますが、時間が経つにつれて茶色に変色してくることもあるので、できれば早めに食べましょう。
6 ほうれん草・白菜・キャベツなどの葉物の冷凍方法
食べやすい大きさにカットして、軽く茹でます。水にさらしたりしっかりと冷ましたら、しっかり水を切ります。そしてくっつかないように1回食べる分ずつ小分けにいして冷凍しましょう。味噌汁などの具にするときはそのまま使えます。お浸しにするときは、そのまま味付けして使いましょう。
7 長ネギ・青ネギ・にら・ピーマン・もやしの冷凍方法
どれも、しっかり洗って食べやすい大きさにカットして、水を切ります。長ネギや青ネギは楽味にするなら薄く切る。ピーマンは種やワタを取り除いてから。その後、1回分づつ小分けにして冷凍します。
8 アスパラガス・ブロッコリー・いんげん・オクラの冷凍方法
ブロッコリーは小分けにして、アスパラガスは食べやすい大きさにカットしてどちらも軽く電子レンジで加熱します。冷めたらジッパー付きのポリ袋に入れて空気を抜かずに冷凍します。
いんげんやオクラはそのまま冷凍すると変色するので、下茹でしてから冷凍しましょう。
9 たけのこの冷凍方法
茹でたたけのこを食べやすい大きさにカットします。スカスカにならないようにだし汁やコンソメスープに浸して冷凍します。だし汁の代わりに砂糖をまぶして冷凍する方法もありますよ。砂糖をまぶしても、甘くならないんです。そのまま煮物にしても大丈夫。
10 玉ねぎの冷凍方法
玉ねぎも常温保存の野菜ですが、湿気に弱く以外に足が早く腐ったりカビが生えたりします。そんな時はやはり冷凍保存します。みじん切り・あめたま・スライスなど使いやすい形状にしてジッパー付きポリ袋で保存します。
11 しいたけなど茸類の冷凍方法
しいたけやじめじ、えのきなどの茸類はすぐにヌルヌルしてくるので、早めに冷凍保存しましょう。しいたけはスライスにしたり、えのきも食べやすい長さにカットしたりと下準備をしてから、1回分ずつ分けて冷凍保存します。
解凍すれば、茸類のシャキシャキ感はなくなるので、その食感が好きな方には不向きです。
常温も冷凍にも向かない野菜の保存方法
キャベツやレタスのように繊維質の多い野菜は冷凍保存はできないですよね。もちろん常温で保存するとすぐに腐ってきます。
やっぱり冷蔵庫の野菜室に入れたらいいのね。
ちょっと待って下さい。そのままゴロンと入れてしまうと、結局長持ちしません。ひと手間かけて、長持ちするように保存しましょう。
レタスの保存方法
レタスは芯に水分をためています。なので保存する時は、芯を薄く切ってその断面に小麦粉や片栗粉を塗り、キッチンペーパーや新聞紙で全体を包み、ラップやビニール袋に入れて冷蔵庫に入れてください。
僕はスーパーで芯にレモンスライスを貼っているのを見たことがあるので、酸化を防ぐという意味でレモンスライスでも代用できると思います。
キャベツの保存方法
キャベツはレタスと逆で、芯をくり抜いて湿らせたキッチンペーパーをそこに詰め込んで、キッチンペーパーや新聞紙にくるんで、ビニール袋に入れて冷蔵保存してください。
自家製ミールキットを作ろう
1週間分まとめ買いならば大変ですが、3日分ぐらいのまとめ買いならば自家製ミールキットを作ってみませんか?献立に合わせて野菜を切って下ごしらえをして、ジッパー付きポリ袋やタッパーに入れて保存しておきます。忙しい時にもかんたんに調理できるので、時間があればやってみて下さい。
宅配・ネットスーパーの利用
まとめ買いのために買い物に出かけるのって大変ですよね。3日分ずつまとめ買いするのなら、どちらかを宅配やネットスーパーを利用してみるのもアリです。葉物や生野菜はやはり新鮮なものを食べたい!と思うのなら、宅配やネットスーパーでまとめ買いし、軽いものだけ買い足しに出るとラクです。
まとめ
まとめ買いする時に、野菜をうまく保存するのって頭を悩ますところです。できれば生の状態で美味しく食べたいですから。けれども出来上がった料理を想像しながら冷凍保存するのも手間はかかりますが、家族で手分けしてやれば、楽しくなります。
僕も子どもたちも、皮をむいたり袋詰にしたりはお手伝いできるので、家族でまとめ買いにでかけたらみんなでわいわいおしゃべりしながら食材のお片付けをしたいですね。
まとめ買いするんだけど、野菜だけはちょこちょこ買い足しに行かないとダメなのよね。まとめ買いできればいいのになぁ。